
カンヒザクラ(沖縄など)

ソメイヨシノ

エゾヤマザクラ(北海道)

チシマザクラ(根室)
2009年のサクラの花情報がようやく出そろった。
5月10日に釧路・根室でサクラの開花宣言が出され、サクラの開花前線はゴールした。5月18日日付で根室の満開日が16日に確定し、こちらも全国の情報がそろった。
サクラの開花日
今年のサクラの開花の初認は、1月2日の那覇で、平年日にくらべて17日早かった。地方別の初開花日は以下のとおり。沖縄の那覇から北海道の函館まで113日、稚内まで128日で到達した。
生物季節観測の情報(気象庁)
http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html
地方別の初開花日
地方 観察地 日付 平年差
沖縄 那覇 1月2日 -17
九州・山口 名瀬 1月22日 +4
四国 高知 3月16日 -7
中国 岡山 3月21日 -10
近畿 京都 3月19日 -12
東海 岐阜 3月18日 -11
関東甲信 甲府 3月20日 -9
北陸 福井 3月26日 -10
東北 福島 4月6日 -5
北海道 函館 4月25日 -8
サクラの満開日
地方別の初満開日は以下のとおり。こちらは同じく那覇から函館まで98日、稚内まで109日で到達した。
地方別の初満開日
地方 観察地 日付 平年差
沖縄 那覇 1月23日 -12
九州・山口 名瀬 2月4日 5
四国 高知 3月24日 -8
中国 広島 4月5日 0
近畿 潮岬 3月30日 -7
東海 静岡 3月27日 -9
関東甲信 甲府 3月31日 -4
北陸 福井 4月7日 -3
東北 福島 4月9日 -6
北海道 函館 5月1日 -6
サクラの開花期間
地方別の開花から満開までの最長期間は以下のとおり。国内最長期間は、石垣島の28日で平年を8日超えた。
地方別の開花から満開までの期間(最長)
地方 観察地 観察日数 平年日数
沖縄 石垣島 28 20
九州・山口 下関 14 9
四国 松山 15 8
中国 鳥取 16 6
近畿 京都 17 7
東海 名古屋 15 8
関東甲信 八丈島 14 8
北陸 福井 12 5
東北 青森 5 5
北海道 函館 6 4
地方別の開花から満開までの最長期間は以下のとおり。国内最短期間は旭川の1日で平年を1日下回った。
地方別の開花から満開までの期間(最短)
地方 観察地 観察日数 平年日数
沖縄 宮古島 11 22
九州・山口 長崎 6 9
四国 高知 8 9
中国 広島 14 7
近畿 潮岬 8 9
東海 静岡 8 8
関東甲信 長野 4 5
北陸 輪島 6 4
東北 山形 2 4
北海道 旭川 1 2
地方別の開花から満開までの期間(中位数、観察地点数)
地方 観察日数 平年日数
沖縄 17 16.5
九州・山口 9 8
四国 14.5 8
中国 14.5 6.5
近畿 14 6.5
東海 13.5 7.5
関東甲信 11 7
北陸 7 4
東北 3 4
北海道 3.5 3.5
以上を見てみると、2009年のサクラは、1年の30%をかけて日本列島を北上し、満開日はややスピードを上げて1年の26%で北上したことがわかる。
開花期間は不均等で、石垣島の28日から旭川の1日までに分布した。開花から満開までの期間の中位数を見ると、東北と北海道を除き、平年を上回っていることがわかる。
今年は東京で4月2日、名古屋は3日が桜の満開だったが、ちょうど同じころの4月1日に、札幌でこの春、初めて積雪がなくなった。札幌は今年3月15日に約50cmの積雪が残っていたが、23日に16cm、28日に5cmと減少し、月末にはほとんどなくなった。ちょうど1ヵ月後に札幌のサクラは開花し、例年にくらべ4日早く、連休中の5月4日には平年から4日早い満開となった。
地方別の開花日は、1月2日から5月12日の109日間で、平年の125日間(1月15日から5月20日)を3日上回った。一方、満開日は、1月23日から5月8日までの105日間で、例年の113日(2月1日から5月25日)を4日短縮した(一部未確定)。気象庁の生物指標観測によると、過去50年で4日ほど開花が短縮したとあるが、今年もその傾向が続いている。
開花の短縮の原因
これは、必ずしも地球温暖化だけの影響とはいえない。「気温の上昇率は,各観測地点において異なっており,札幌,東京,福岡といった大都市で大きくなっていることが分かります。このように,大都市で大きくなっているのは地球全体の自然変動や地球温暖化の影響とは別に,都市化が進行したことによる昇温が原因であると考えられます」(気象庁「20世紀の日本の気候」、2002年、http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/20th/nindex.htm)の指摘があるからだ。
ただ、北日本の日本海側で気温は徐々に上昇しているが、北陸に比べて気温が低く、雨に変わるほどの暖かさではない傾向だ。このため、降雪量に大きな変化が見られず。1990年代から長期的に増加傾向にあるのは、地球温暖化に伴って日本海の海水温が高くなり、水蒸気の供給量が増したためだと思われる。それにくらべ北陸は、1990年代はじめにかけて降雪量が急減した。これは降雪量が減ったが気温の上昇で、降雨量に転化したものと見られるhttp://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/20th/1_3_4.htm。一般的に気温が上昇すると、海水温度も上がり、海から水蒸気が大気中に供給され、陸地で降雨や降雪となり、そのときの陸地の気温しだいで、雨になるか雪になるのかも変化する。これまで以上に雪の少ない地域が増えることは、本州で春から初夏にかけての雪解け水の減少となる。これは、冬のスキー場利用など、観光に影響を与えるばかりか、夏の水資源保全の影響も懸念される。首都圏の水がめとして知られる八木沢ダム(群馬県)は、新潟と群馬の県境に降り積もった雪が水資源を支えているからだ。雪不足は夏の水不足の心配につながり、融雪による河川への流量のピークが前倒しになることで、最も多くの水を必要とする田植えの季節に水不足がおきるという心配もある。
花見の時期
次に、2009年のサクラの開花時期を見てみよう。
サクラの開花時期(2009年/平年、観察地点数)
開花 満開
2009 平年 2009 平年
1月 5 5 1 1
2月 0 0 4 4
3月 40 29 11 0
4月 14 24 42 52
5月 9 10 9 11
開花日を見ると、2009年のピークは3月に集中し、全国の中位数も開花日は3月23日で満開日は4月5日の13.5日で、平年の開花日の3月31日と満開日4月7日の6,5日にくらべて、1週間早い開花でほぼ倍の開花期間となった。開花期間の状況は次のとおりである。
サクラの開花期間 (観察地点数)
2009年 平年
4日以下 14 15
5-9日 18 48
10-14日 26 2
15-19日 7 1
20日以上 2 2
平年は1週間程度のサクラの開花期間が、今年は2週間近くに延びたことがわかる。サクラの開花だけではなく、満開までの期間が延びたことは、3月に気温が低く、寒のもどりがあったためである。このため西日本でサクラが咲きそろわない現象が起きた。一方、東北と北海道は、4月の暖かさで平年より早く短いサクラの開花となった。例年は3月の菜種梅雨(梅雨のように曇りや雨のぐずついた天気が続く時期)が、今年は2月下旬に発生し、冬晴れが多いはずの2月に、東海から九州の太平洋側で天気がぐずついた。3月前半は4月並みの暖かさで桜の開花を早めたが、3月下旬にいったん寒の戻りがあった。4月は、まるで「五月晴れ」のような汗ばむほどの晴天がしばらく続いき、関東から九州で25度以上の夏日になったほか、大分や広島では30度以上の真夏日(4月19日)になった所もあった。東京も、4月は9日間連続(4月5日~13日)で晴れ、22年ぶりの記録更新(4月の無降水連続記録)となった。
来年以降は、冬の降雪状況とも合わせてサクラの開花を見ていかないと、「花見の時期」が決まらないこともおきそうだ。
サクラの開花は、気温だけではなく各地方の風土性をも現している。これからは地元住民も参加した長期的な生物指標観測が必要である。
参考:「日経ビジネスオンライン」2009年4月09日・2009年4月23日
修正:2009年5月14日、2009年5月15日、2009年5月18日
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