2011年9月16日金曜日

浮天思 (1) 送僧歸日本

2011年9月11日日曜日

このブログの読者からの意見もあり、本日からコラムを始める。

2011年3月14日にブログを公開して、もうすぐ6ヵ月。表題の「浮天」は、唐詩『送僧歸日本』の一句から拾う。

    上國隨縁住,來途若夢行。
   浮天滄海遠,去世法舟輕。 
   水月通禪寂,魚龍聽梵聲。
   惟憐一燈影,萬里眼中明。     


僧の日本に歸るを送る    

      上國、縁に隨りて住み,來る途は夢の若き行。
     天に浮かびて滄海遠く,世を去りて法舟輕し。
     水月、禪寂に通じ,魚龍、梵聲を聽く。
     惟(た)だ憐む、一燈の影,萬里、眼中明し。 

「天に浮かびて滄海遠く」は、「天の下を漂うように航海し、滄海の彼方、日本のあるところは、遥かに遠く離れている」。

 作者の錢起は722年~780年の人。鑑真とともに753年に唐から帰国した普照は、733年から753年まで唐に滞在した。751年に29歳で「中進士」に及第した錢起は、「進士科は50歳でも若い方」といわれた当時の大秀才。日本僧との交流もあった。それが普照であったのなら、この詩は、日本僧に寄せて、玄宗皇帝がその才能を惜しんで渡日を許さなかった鑑真を思ったものとも想える。

「思」は、李白の『静夜思』などの「思う」で情懐の念。  太平洋の雲や海を、暮らしの場としてきた同じ同胞を思う気持ちからの、表題の命名である。

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